北海道コンサドーレ札幌の2017年が終わりました。
J1:11位(勝ち点43 12勝15敗7分)
天皇杯:2回戦敗退
16年振りのJ1残留そしてクラブ史上最高タイとなる11位、最多勝ち点43と100点満点の結果を残した北の勇者の2017シーズンを振り返ってみましょう。
シーズン初めに書いたプレビュー記事もご参考に。
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■苦戦はしつつも想定よりはできていた序盤
想定されていた通り厳しい戦いとなった序盤。
初の勝ち点は第3節のC大阪戦。
それでも徐々にJ1での戦いに慣れてきている感じは伺え、想定よりはやれていたのかなと感じていたら、第4節で初勝利を飾り、10試合を終えて3勝4敗3分と上々の船出。
3勝2分と無敗だったホームでの強さが際立った序盤でしたね。
■6連敗...このまま降格街道まっしぐらか...な中盤
上々の立ち上がりに見えた序盤でしたが、徐々に歯車が狂ってきます。
第11節のG大阪戦から6連敗を喫し、降格圏へと転落しました。
悪くない戦いぶりに見えたG大阪戦で、一瞬のスキを突かれての2失点での敗戦が応えたのかは不明ですが、6連敗中4敗が1点差での惜敗で、降格するチームにありがちな惜しい試合を落とし続けてチームとしての自信を失い、さらに黒星を重ねるという負の循環に陥りつつあるそんな中盤でした。
第16節の柏戦にそれがよく表れていて、先制されながらも追いついたまではよかったんのですが、そこから引き分け狙いへのシフトが早すぎたことで防戦一方になり、勝ち点1も失うという結果になり。
これこそチームとしての自信喪失から来る消極的な戦術で、このままいくとこれまでのJ1昇格時と同じになってしまうな...そんな危惧も抱きつつありました。
■戦術ジェイで残留争いを一気に抜け出した終盤
こちらでも振り返りましたが、ただでさえ守備的な戦い方な上にチームとしての自信も無くしつつあることでさらにラインが下がり、それこそいつ決壊しても不思議ではない中で後半戦を迎えたわけですが、秋が近づき始めた8月後半からまさかの上昇気流に乗ってきました。
その要因は、サマーブレイク明けから加入したジェイ、チャナティップそして石川と夏場の補強が大当たりしたことですね。
左WBに定着した石川が地味によかったですよね。
守りを安定させるのはもちろんのこと、アシストも地味に多かったような気が。
チャナティップは周りで言われてるほど私の評価は高くない(もっとやれると思っている)のですが、攻撃の活性化には大きく貢献しました。
そして何といっても、J1残留の立役者と言っていいジェイ。
彼の加入はホントに大きかったです。
加入当初はコンディション不良が続き、運動量の少なさが目立ちましたが、コンディションが上がっていくとともに周りも彼の活かし方を理解し始め、そこから戦術ジェイが猛威を振るい始めます。
細かくボールを繋いでくる柏対策で敢えての厚別開催で、ジェイの高さ、懐の深さを存分に生かしての完勝。
これで一気に上昇気流に乗り、残留争いをあっという間に抜け出し、この試合を含めた残り6試合を5勝1敗で駆け抜けました。
5勝の中にはこれまで未勝利だったアウエーでの3勝も含まれています。
残留を決めた第32節清水戦の危なげない戦いぶりに勢いの差そして、チームとしての成長が見て取れましたね。
■総括
戦術ジェイ(別名:ジェイ頼みの糞サッカーw)で目標としていた残留を手繰り寄せました。
それどころか、クラブのJ1最高順位タイとなる11位(2001年以来)、J1最多勝ち点を大きく更新する43(これまでは2001年の34)と記録ずくめのシーズンとなりました。
勝ち点43がどれぐらいクラブにとって記録的かというのは、これまでのJ1での勝ち点を見ていただければわかると思います。
2012年:14
2008年:18
2002年:15
ねっ、凄いでしょ( ゚∀゚)・∵. ガハッ!!
この好成績は四方田監督の手腕によるところが非常に大きかったです。
前線からの連動した守備ブロックは一時は破綻しかけましたが、両WBを守備力を重視して石川と早坂に固定してからは安定してきました。
攻撃面では、監督自身の引き出しは少なかったですが、選手の特徴に合わせた攻撃の形を作るのが巧かった印象で、それがジェイ加入後の快進撃に現れたんだと思います。
■来シーズンはさらなる高みへ
来シーズンはその四方田監督に代わり、前浦和監督ペトロヴィッチ氏の就任が決まっています。
今の守備に重きを置く戦い方にペトロヴィッチ氏の攻撃的な戦術を取り入れることでさらなる高みを目指すとともに、攻撃面での引き出しの少ない四方田監督をヘッドコーチに置くことで、四方田監督の成長を促し、将来的にはまた監督を任せるという壮大な構想のようです。
個人的には、浦和での最後の試合となったウチとの試合での、”あの”三枚替えのインパクトが強すぎて采配面での大きな不安はあるのですが、広島、浦和をJ1上位に導いた手腕は間違いなくホンモノで、J1残留と言う目標を成し遂げた札幌にとっては適任かもしれません。
補強の話もちらほら出てきていて、来シーズンへの期待が高まってきますね。
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