年に1回あるかないかっていう試合でした。
コンパクトに前から組織立ってプレスしてくるFC東京の圧力に徐々に押し込まれてからの2失点。
シュートにすらほとんど持っていけず、後半頭からトドメを刺しに来た相手に屈していれば大敗もあり得た試合でしたが、今年の札幌は一味違いました。
トドメを刺しに来た相手に自分たちのサッカーを貫いての真っ向勝負を挑み、運も味方にして1点返したことで流れを自分たちに大きく引き寄せての逆転勝ち。
2点差をひっくり返したことはもちろん、自分たちのサッカーを貫いての逆転勝利は勝ち点3以上の価値があると言える試合でした。
スタメンは前節から2名変更。
宮澤、石川に代わり、荒野、菅が入りました。
【J1採点&寸評】札幌3-2FC東京|逆転弾のチャナティップがMOM!D・オリヴェイラも奮闘したが… | サッカーダイジェストWeb
■相手の圧力に恐れおののいたが故の0-2
試合はFC東京優勢で始まりました。
キープ力、突破力のあるディエゴオリヴェイラとスピードスター永井の2トップがとにかく脅威でしたね。
危ないシーンはいくつも作られましたが、ある時間まではよく守れていたと思いますよ。
キムミンテを中心にして、安易に突っ込まず我慢強く守れていたと思います。
攻撃面は立ち上がりから繋ぎの雑さが目立ちました。
バックラインでのビルドアップから圧力をかけてくる相手に対して徐々に恐れを抱いてきてのものと私は見ましたが、サポートの動きも少なく選手間の距離が遠かったのも要因かなと。
バックラインからの一発裏狙いもチャンスを作り出せず、前半はシュート1本に終わりました。
それでもこのまま0-0で前半を終えられる雰囲気もありましたが、永井のスピードであっさり先制点を許しました。
比較的アバウトな裏スペースへのパスでしたが、永井が一瞬のスピードで裏に抜けてそのままドリブルでゴールに向かって、クソンユンが飛び出すところを中でフリーだったディエゴオリヴェイラへマイナスのパス。
ディエゴオリヴェイラは流し込むだけでした。
綺麗な崩しでしたが、強いて言えば永井と競ったキムミンテがもう少し読めていればなあとは思います。
永井のワンタッチ目がゴールに向かう方向でしたが、キムミンテ的にはそのままサイドを駆け上がる方向に進むイメージがあったようで、このワンタッチ目で永井に後れを取ってしまいました。
ドリブルしているとは言え、スピードのある永井に一度後れを取ったら追いつくのは至難の業なので、ワンタッチ目で交わされた時点で勝負あった印象です。
2失点目はCKから。
太田の蹴ったボールをニアで逸らされてファーサイドの隅に吸い込まれていきました。
■トドメを刺しに来た相手に真っ向勝負を貫き、運も味方したことで流れを引き寄せる
全くいいところなく前半を終え、2点ビハインドでむかえた後半。
荒野に代えて白井を入れて、駒井をボランチに置いたことで配給役ができて球が回りだすように。
FC東京は前半よりも前目、それこそGKも含めたビルドアップから潰しに来ていて、早い時間に3点目を取って試合を決め切る気満々で圧力をかけてきました。
それに対して札幌が前半と違ったのは、苦し紛れにロングボールを蹴るのではなく、プレスを掻い潜って細かくパスを繋いでいくことで、それはペトロヴィッチ監督の元取り組んでいる自分たちのサッカーで真っ向勝負を挑んできました。
これでリズムが生まれた札幌が運も味方につけて1点返したことで試合の流れが一気に変わっていきます。
中央チャナティップがゴール前への侵入を試みるも人数をかけて守る相手を見て福森に戻してから、福森がエリア内手前の人のいないスペースへパス。
そこに都倉が飛び込んで のダイビングヘッドが相手に当たってコースが変わりゴールイン。
当たってなければ恐らく枠をとらえていなくてオウンゴールとなってもおかしくない得点で、運がよかったゴールですが、福森のパスはいいアイディアでしたし、劣勢の場面でこういうラッキー感強いゴールが決まると流れが変わるんですよ(*´・ω・)(・ω・`*)ネー
このゴールで札幌は一気に押せ押せムードに。
そして、菅に代えて早坂を投入し、後半頭から出ている白井を右WBから本職の左WBに代えたことで同点ゴールが生まれます。
中盤都倉からの裏狙いのパスは相手にカットされますが、こぼれ球を拾った白井がカットインからの右足ミドルがゴール右隅に突き刺さりました。
完全に押せ押せになった札幌に逆転ゴールが生まれたのは4分後でした。
福森がチャナティップにパスしてのフリーランで相手を引き寄せて、チャナティップ→ジェイ→チャナティップのパスからチャナティップ右足ミドル一閃。
これがゴール左ポストに跳ね返ってゴールイン。
福森がマークを引き付けたことでシュートコースが空いたのと、ディフェンスが突っ込んでこれないミドルゾーンからの思い切りのよいシュートがゴールを生みました。
試合は猛反撃に出たFC東京の攻撃をなんとか抑え込み、このまま試合終了。
3位FC東京に対して2点差をひっくり返す見事な逆転勝利でした。
後半頭から試合を決する3点目を狙って負荷をかけて仕掛けてきたFC東京に真っ向勝負を挑み、運に恵まれたとはいえ1点を返したことでFC東京の勢いが一気に落ちたことが逆転勝利に繋がりましたね。
中断明け後はイマイチ調子に乗り切れなかったですが、この勝利で勢いが出てくるかもしれないですね。
次節は8/25(土)アウエーでの清水戦です。
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