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トラッキングデータで振り返る2019年明治安田生命J1リーグ

 

間もなく2020シーズンが始まるというタイミングで、今頃かよ(*`Д´)ノ

的な内容で申し訳ございません( ゚∀゚)・∵. ガハッ!! 

 

■2019年 明治安田生命J1リーグ終結

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2019年の明治安田生命J1リーグは、横浜F・マリノス 15年振りの戴冠で幕を閉じました。

ラッキングデータから見えてくる横浜F・マリノス優勝の要因、そしてチームごとの特徴などを分析していきたいと思います。

 

順位表にトラッキングデータを追加してみましょう。

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本題に入る前に1つ重要な補足を。

今年の全試合の中で、1試合だけトラッキングデータを取得できなかった試合があります。

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第18節の清水-神戸戦です。

取得できるトラッキングデータにおいて、両チームは1試合少ないデータとなっております。

データ分析の世界ではこれを欠損値と呼ぶのですが、今回はこの欠損値を清水、神戸それぞれの18節を除いた33試合の平均値を18節の値とすることで補填し、18チーム34試合合計のデータとして比較できるようにしています。

 

■圧倒的な走力

さて、ここからが本題です。 

総走行距離、スプリント回数いずれも、優勝した横浜F・マリノスが1位。

全チームのデータを-1~1の範囲に縮尺した散布図が下記になるのですが、両データともに横浜F・マリノスの叩き出した値が如何に圧倒的かがお分かりいただけるかと思います。

 

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総走行距離、スプリント回数いずれも圧倒的=圧倒的な走力と言い換えることができ、15年振りの戴冠の原動力は、この圧倒的な走力がベースにあったと言えます。 

 

選手単位に見ていくと、両CBの総走行距離が他チームの同じポジションと比べると際立っています。

 

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これはDFの総走行距離上位10傑ですが、3バックのチームやSBの選手が大勢を占める中で、チアゴマルティンス、畠中の両CBが入っているのがわかります。

 

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そして、DFのスプリント回数の上位10傑を見てみると、SBが大半を占める中、ポツンとCBのチアゴマルティンスが入っています。

 

このことから伺えるのは、チアゴマルティンス、畠中の両CBが前掛かりで攻めるチームの背後の広大なスペースをカバーし、取り分けチアゴマルティンスのスプリントが効いていて、それが横浜F・マリノスの優勝に大きく貢献していたのではないかということが推察されます。

 

川崎フロンターレ 

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総走行距離、スプリント回数いずれもトップの横浜F・マリノスに対して、4位の川崎フロンターレは総走行距離がJ1最下位、スプリント回数が下から2番目の17位。

総走行距離、スプリント回数と実際の順位の相関性にはあまり関係がないことを示すいい例かなと思います。

 

カウンター志向ではなく、ショートパスを多く繋ぎフィニッシュに持っていくという川崎のスタイルが色濃く表れているんでしょうかね。

選手間の距離が近いことで総走行距離が少なく、スプリント回数にカウントされるほどのスプリントも少なくということなのかと思いますが、逆に相手に取っては人数をかければ守りやすいとも言えて、それが引き分けの多さに繋がり、リーグ3連覇を成し遂げられなかった要因と言えるのかもしれません。

 

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これは横浜F・マリノス川崎フロンターレ2チームに絞ったスプリント回数の上位10傑です。
川崎フロンターレで最もスプリント回数が多いのは車屋ですが、トップの横浜F・マリノスと合わせると8番目という位置になります。 

 

ヴィッセル神戸  

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総走行距離が川崎フロンターレに続いて下から2番目のヴィッセル神戸は、川崎と同じくポゼッションを志向しているチームですが、スプリント回数7位に表れている通り、川崎とは違うポゼッション志向と言えるチームになっているように思います。

世界的スターのイニエスタを中心とした精度の高いロングカウンターが特にシーズン後半になって顕著にみられるようになり、2020シーズン注目のチームだと個人的に見ております。


浦和レッズ

逆に、2020シーズン心配なチームが浦和レッズです。

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総走行距離14位、スプリント回数15位とどちらも下位の数値で、ポゼッション志向ではないこのチームとしてはあまりいい傾向とは言えない内容です。

そして、引き続き大槻監督が指揮を執ると言うことで、大きくサッカーが変わるとは思えず、これは降格もあり得るんじゃ...と危惧しております。

 

セレッソ大阪

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J2東京ヴェルディを昇格プレーオフまで導いた実績を持つロティーナ監督就任1年目のセレッソ大阪。 

総走行距離は真ん中よりも上位ですが、スプリント回数は断トツの最下位。

今や最先端のサッカーのキーワードと言っていいポジショナルプレーを取り入れているロティーナ監督の戦術が浸透している証左なんでしょうかね(よく知らんw) 

1年目で築いた土台をベースに2020シーズンはさらなる飛躍が期待されるという声もありますが、個人的には失点の少なさに比例する得点の少なさが気になっておりまして。

守備の意識が強すぎるように思うんですよね。 

 

FC東京

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シーズン終盤まで首位に立ちながら最後は横浜F・マリノスに差されての2位。

総走行距離は16位ながら、スプリント回数は横浜F・マリノスに続く2位。

これはFC東京がカウンター志向のチームであることがスプリント回数の多さに表れているのと、ディエゴオリヴェイラ、永井というリーグ屈指の2トップを中心として、少ない手数でフィニッシュまで持ち込んでいることが総走行距離の少なさに出ているのかなと。 

頂点を取るには、2トップ頼み以外の攻撃のパターンが欲しいところで、昨季途中で海外移籍した久保建英がいればまた違った結果になったと思いますけどね。 

 

湘南ベルマーレ

最後はリーグ16位、昇格プレーオフで勝利し辛うじてJ1残留を成し遂げた湘南ベルマーレ

 

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総走行距離2位、スプリント回数3位といずれもリーグ上位の数値を叩きながら順位は下位。

川崎フロンターレとは逆の意味で実際の順位の相関性にはあまり関係がないことを示している例です。

根拠も何もない主観ですが、資金力の問題で戦力的に劣っている部分を走力でカバーしたことでこの順位で何とか踏みとどまれたのかなと。

17位でJ2降格となってしまいましたが、松本山雅FCにも同じ傾向が言えますかね。

まあ、湘南の場合は前監督のパワハラ問題のゴタゴタがなければ余裕で残留出来たと思いますけどね。

 

 ■まとめ

横浜F・マリノス15年振りのJ1制覇は、圧倒的な走力がベース 

・ポゼッション志向のチームはトラッキングデータが低くなりがち説(川崎、神戸)

・カウンター志向のチームはスプリント命(FC東京)