鹿島アントラーズの2017シーズンが終わりました。
J1:2位(勝ち点72 23勝8敗3分)
ルヴァンカップ:準々決勝敗退
天皇杯:準々決勝敗退
ACL:ラウンド16敗退
大型補強そして監督交代の劇薬も虚しく無冠に終わった2017シーズンを振り返ります。
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■順調そうに見えて順調ではなかったシーズン序盤
このプレビュー記事、今となっては偉そうなこと言って申し訳ございませんm(__)m
と平謝りするしかないのですが、クラブワールドカップであのレアルマドリードを土俵際まで追い詰め、天皇杯も順当に制してのシーズンの終わり方そして例年にない積極補強からは決して夢物語で終わらせないそんな期待を抱いていたシーズン初めでした。
リーグ戦とACLの過密日程だった序盤、時折取りこぼしはありつつも白星を重ねていき、一見順調には見えた序盤でしたが、白星を重ねていく中でも歯車が噛み合っていくどころか、どんどんずれていっているように見えました。
こちらでも書いたのですが、原因は攻撃の形のなさなのかなと。
自分が中心でゲームを作るレオシルバは早々にフィットする一方、周りに活かしてもらうペドロジュニオールやレアンドロがフィットに苦しんだことからもそれは明らかでした。
昨シーズンの激闘のつけでオフシーズンが少なくチーム作りの時間が取れなかったというエクスキューズはあるにせよ、ゆうに2チーム分はある豊富な戦力でいくらでもやりようはあったかと思います。
その中で、昨年のクラブワールドカップで見られた思い切りのよい采配が影を潜めた石井監督は、依存し続けた中心選手の相次ぐ怪我にも見舞われ、今シーズン最大の目標に定めていたACL敗退の翌日、解任と言う形でチームを去ることになりました。
■監督交代の劇薬で勢いを取り戻したシーズン中盤
コーチから昇格した大岩新監督のもと、チームは勢いを取り戻しました。
就任後の3戦を広島、札幌、新潟と当時低迷していたチームで、相手に恵まれた点はあるにせよ、就任後9戦負けなし(8勝1分)と破竹の快進撃を続け、首位に浮上しました。
これまでフィットしていなかった中村やレアンドロ、そして若手の三竿健をスタメンに抜擢するなど、チームを活性化させようとする意図が見え、それが結果に繋がっていったんだと思います。
戦術面で言うと、石井前監督の時はサイド起点での崩しがほとんどで、攻撃のバリエーションの少なさが目立ちましたが、それにワンツーやパスアンドゴーで中央からシンプルに崩す形が出てきたことで、それに合う中村、レアンドロが躍動できるようになったのかなと。
■残り1勝が遠く...連覇を逃し無冠
就任後9戦負けなし(8勝1分)と破竹の快進撃で首位に躍り出た大岩アントラーズですが、いつまでもその勢いが続くわけがなく、その勢いに陰りが見え始めたのが25節大宮戦だったように思います。
ルヴァンカップ敗退が決まった直後の試合でしたが、盤石な戦いぶりからは程遠く、曽ヶ端の攻守に助けられて七色吐息な勝利でした。
それよりも気になったのが、事前のスカウティングしてないんじゃ?と疑いたくなるような選手の動きでして、相手の大宮はそれほどいい出来には見えなかったんですが、フリーでプレーさせている場面の多さにスカウティング不足を感じました。
その後も、新潟、G大阪と言った低迷している相手には勝ち切れるものの、鳥栖、横浜FMと言った中上位クラス相手には敗退し、これやっぱりスカウティング不足なんじゃという思いを強くしました。
それに加えて今思えば、大岩監督の限界点も見えていたのかなと言う気もしました。
就任当初こそ、中央突破という攻撃の選択肢を加え、個の力で勝ち進んできましたがそれが対策されたときの次の一手がなかったこと、そして守備ブロックの構築が進まなかったことから、こちらも昌子を中心とした個の力に頼っていた守備の綻びがここぞという時に出てしまったことで、勝ち点をこぼし始めて、それが最終的に交わされることに繋がりましたね。
残り2試合で1勝すればいいところまで連覇を手繰り寄せながら、2試合連続スコアレスドローに終わったのは、顕在化し始めていた課題に手を打とうとしなかった大岩監督の限界点なんかなあと感じました。
巷でよく言われているのは、何で小笠原を出さないんだごらあ(*`Д´)ノ
ってところで、私もそれは同感なんですが、さらに言うと勝ち続けることで成功体験に縛られて自ら選択肢を狭めての自滅感ありありだなあと言うのと、こういうところは石井前監督と同じで、監督としての経験値のなさなんだろうなあと思い至りました。
■来シーズンに向けて
来シーズンへ向けてですが、補強に向けてまだ表立った話は出ていないようです。
取り合えず大岩監督の続投は決定したようです。
フロントとしてはまだ大岩監督を見限ってはいないようで、私としては大変心配です(´・ω・`)
試合中にベンチの選手(主に小笠原)に意見を求めていることが毎試合のように見られているらしく、監督としての適性に大きな疑念を抱いております。
チームを劇的に建て直せたのはモチベータとしての面が発揮されたものと私は見ていますが、それ以外の采配面、選手起用の固定化、相手に応じた戦いの幅のなさなど、モチベータ以外の面での適性のなさが目立っている大岩監督の続投はいかがなものかというのが偽らざる心境です。
ですが、決まってしまったものはしょうがないので、大岩監督の成長に期待するとともに的確な補強で来シーズンの巻き返しを期待しましょう。
補強のポイントは何といってもCB。
町田は負傷で長期離脱中、ブエノは外国人枠でベンチ入りできずで、シーズンの半分は昌子、植田+本職でない三竿健の3人でまわしてましたから、町田が戻ってくるにせよ、最低でも町田とは争えるレベルの選手が一人、できれば二人補強したいところです。経験豊富なベテランがいると心強いのですが...ね。
他のポジションは、現有戦力が残るなら優先度は高くなく、CBの補強が何をおいても最優先となります。
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