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鹿島アントラーズサポーターであり北海道コンサドーレ札幌サポーターな人間です。

得点源を引き抜かれて...再び 北海道コンサドーレ札幌2021シーズンを振り返る

 

ペトロビッチ体制4年目は10位に終わりました。

 

昨シーズン途中から取り組み始めたマンツーマンディフェンスが成熟していくにつれ、戦いぶりに安定感が出てきた一方で、昨年の鈴木武蔵に続いて、チーム一の得点源を引き抜かれたことによる得点力不足そして、選手層の薄さに悩まされたシーズンだったかな...という2021シーズンを振り返っていきます。

 

シーズン初めにしたためたプレビュー記事もご参考に。

 

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■理想と現実のギャップ

シーズン序盤は戦績、内容ともに安定せず、チームの得点の半分を叩きだすアンデルソンロペスがいなければ、もっと下の順位だったかもしれません。

 

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こちらでも書いたのですが、札幌のような資金力のないクラブには、マンツーマンディフェンスは理想が高い戦術なんじゃ...と理想と現実のギャップの大きさを感じたシーズン序盤だったように思います。

 

札幌としては昨シーズンから取り組んでいるマンツーマンディフェンスを軸にして勝ち点を積み上げていきたいという思いは持ちつつも、それが上手くいっていない現状があります。


上手くいっていない要因としては、ピッチに出ている誰もが一定水準以上の動きを要求されるという、ある意味誰でもこなせる戦術だという前提があり、その上で体力的な要求水準も高く、札幌のような資金力に乏しいクラブがこれをベースにシーズンを戦うには選手層が明らかに不足していてという構造的な問題があると感じています。


昨シーズンのように降格がなければ、半ば勝敗度外視で理想を追い求めることができましたが、今年は4チームが降格するという厳しいシーズンですのでそういうわけにもいかず、この日の後半のように個の力で殴り倒して結果を追い求めるという現実に向き合う試合も今後増えてくると思います。

今シーズンこれまではこういう戦い方を行ってこなかったというよりは戦力的に行えなかったんですが...


理想と現実のギャップは埋められるのか?問題ですが、札幌が追い求める理想には資金力が必要だと感じているので、ギャップをなくすのは難しいかなとは思いますが、ギャップを少なくするというのはできるのかなと。

 

下位チームは札幌のマンツーマンディフェンスに付き合わずブロックを作って待ち受ける作戦で札幌の良さが消され苦戦し、真っ向勝負で挑んでくる上位チームには選手層の差を見せつけられと、4チームがJ2降格となるのも踏まえると残留争いに巻き込まれるのも覚悟しなくては...と感じていました。

 

 

そんな状況下で明らかになったアンデルソンロペスの移籍はインパクト大で、ACL出場という目標の軌道修正を迫られ、J1残留が現実的な目標に。

 

■進化したマンツーマンディフェンス

チームの総得点の半分を叩きだしていた点取り屋の移籍による得点力不足は解決することなく、それだけだと間違いなく残留争いに巻き込まれていたでしょうが、最終的には巻き込まれることなく10位で1年を終われた要因は、完成度が増して成熟の域に入ったマンツーマンディフェンスの賜物なのかなと。

 

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こちらの記事で書いたのですが、相手の出方によりマンツーマンディフェンスの強度をコントロールできるようになり、それによりスタミナが持つようになったのが大きいのかなと。

マンツーマンディフェンスを深化させていく中で、相手の状況に応じてペースを変えることができるようになったのが、内容が安定してきた要因で、この試合でも相手が出てくればプレースピードを上げて攻撃に出るし、出てこなければ最終ラインで数的優位を保ちながらじっくりと穴を探していくしといった形で、このチェンジオブペースによりスタミナの浪費を抑えられたことが大きかったかなと感じたゲームでした。

 

そして、1対1の対応力がキーとなるマンツーマンディフェンスという戦術での経験が選手の成長に繋がっていることも感じました。

 

最後に、マンツーマンディフェンスに関してですが、この戦い方を推し進めていくことで個々の選手達の1対1での対応力が磨かれているように感じていて、よっぽど個の力に秀でた相手でなければそれなりに渡り合えるようになっているなあと、この試合を通してみても感じたところで、このクラブの未来は決して暗いものではないと感じた次第です。

 

同じ記事での引用ですが、シーズン終盤は上位チーム相手でも引けを取らない戦いぶりで、これで決定力のあるストライカーがいれば...と感じさせるゲームも多かったですかね。

シーズン終盤になると、"札幌 = 簡単には勝たせてくれない手強い相手"と認識されるまでになっていることが対戦相手の監督、選手のコメントから伺えました。

 

得点力不足に対してただ手をこまねいているのではなく、多彩な崩しのバリエーションは、日々の練習で得点力不足を解消するために積み重ねている証でしょうし、1本のパスで局面を打開できるリーグ屈指の左足を持つ福森を怪我で欠く試合も多かった中で、下記の記事でも触れている通り、福森に頼らないでも崩せるシーンも増えてきました。

 

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絶対的なプレースキッカーである福森を怪我で欠き、チャンスの創出にすら苦労している印象でしたが、この試合では上手くこといかなかったもののCKにサインプレーを入れてくるなど、福森がいないことで逆にチームとしては更なる進化が窺えましたかね。

 

絶対的な得点源の移籍、リーグ屈指のキッカーを怪我で欠く試合が多い状況が選手、チームの成長につながったとも言え、このクラブの未来は決して暗いものではないと感じた2021シーズンでした。

 

nvtomosoccer.hatenablog.jp

 

今シーズンのベストゲームはこの試合ですかね。

札幌相手に個の力で勝っていても、無策で臨んでくると痛い目にあうでψ(`∇´)ψ

というのを嫌という程思い知らせた会心のゲームでした。

 

■来シーズンに向けての課題

大きくは2つあります。

 

1.得点力

アンデルソンロペスが移籍してから抱えている課題は来シーズンへ持ち越しとなりました。

現有戦力で期待しているのが、今シーズン途中に加入したミラントゥチッチ。

体格の割に機動力がある印象で、札幌の戦術にフィットしそうな雰囲気があります。

 

トップに高さ強さのあるストライカータイプの選手がいることで、今シーズントップで役割過多だった小柏がシャドーでより活きて得点量産し、ミラントゥチッチも負けずに...そんな未来を期待したいです。

 

そして、噂されているベテランストライカーの補強が叶えば、より前線に厚みが増すかなと。

 

2.選手層の薄さ + 怪我人の多さ

資金力に乏しい中、よく言えば少数精鋭の札幌ですが、ここ数年、怪我人が多く、特に今シーズン終盤はぎりぎりベンチ入りメンバーは確保できたものの、5枚の交代カードを使いきることなく終えるという試合が多かったように思います。

 

怪我人の多さは、チームのフィジカル面でのサポート体制に難があるのかな...とも感じていますが、寒暖差の激しい北国チームの宿命なのかも...とシーズン序盤、終盤に取り分け怪我人が多くなるのを見て、そういう可能性も考え始めていました。

 

そして、下記の記事でも触れた通り、選手層の薄さは自業自得な面もあるのかなとも思っています。

ちょいと長いですが、そのまま引用します。

 

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そして、シーズン最終盤に来て、怪我人続出でやり繰りが相当厳しいことが、カップ戦でも満足に出番を得られなかった中村や、17歳の西野がベンチメンバーに入っていることからも大いに窺わせるのですが、自業自得な面もあるよな...と最近思い始めてまして。

 

どういうことかというと、ペトロヴィッチ監督って昔からメンバー固定な面が目立つなとは思っているのですが、好む選手の幅が狭いからなのかな...と感じています。

 

ビッククラブであれば、それでも選手層に問題はないんでしょうが、札幌のような資金力のない地方クラブだと、もっと様々なタイプの選手を生かせるような、生かそうと工夫する監督じゃないと、怪我人が増えたときに厳しくなるし、選手によっては活躍の場所を求めて移籍してしまう選手も出てくるでしょうし...と考えていて、ペトロヴィッチ監督のようなメンバーを固定しがちな監督だとどうしても選手層が薄くならざるを得なく、それを取って自業自得なのかなと考えた次第です。

 

選手の頭数がいても、監督的には使える(と考えている)選手は限られていて、選手層が薄いってなってしまいますもんね。

 

これまでも薄々は感づいていたんですが、最近のベンチメンバーには入るけど全く使われない選手たちを見るに、これは札幌の行く末も左右する問題になり得るんじゃ...と感じた次第です。

 

ペトロヴィッチ監督が優秀な監督であることに疑いようはないのですが、どんな優秀な監督であってもネガティブな面はあるもので、ペトロヴィッチ監督の場合は好む選手の幅が狭い点が、資金力のない地方クラブだと厳しいのかなと思うわけです。

 

来シーズンへの課題を提起して、北海道コンサドーレ札幌の2021シーズン最後の記事を〆たいと思います。

 

皆さま、よいお年をお迎えください\(^O^)/

 

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