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必然 鹿島アントラーズ2023シーズンを振り返る

 

鹿島アントラーズの2023シーズンはまたしても無冠。

新米監督にチームの浮沈を委ねたが故の、ある意味必然といえる結果でした。

 

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シーズン初めにしたためたプレビューもご参考に。

今シーズンを振り返ります。

 

■2023シーズン戦績

 

明治安田生命J1リーグ

 5位(勝ち点:52、14勝10敗10分、得点:43、失点:34)

 

2023JリーグYBCルヴァンカップ:

 グループステージ2位通過

 ノックアウトステージ準々決勝敗退

 

天皇杯

 3回戦敗退

 

どん底から勝ち点優先の手堅いサッカーで息を吹き返したシーズン前半

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今振り返ると、今シーズンの鹿島アントラーズの勝ちパターンが色濃く出ていた開幕戦でした。

 

90分持たせることを考えていないような前線からの激しいプレス、前プレにより主導権を握り、早い時間帯に奪った得点を、高さ強さのあるCBを中心に守り切る。

これが2023シーズンの主要な勝ちパターンだったように思います。

 

開幕戦こそ勝利したもののイマイチ波には乗り切れず、個の力やチーム力の差がそのままスコアに繋がっているような試合が続きました。

 

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第8節では今シーズンを制することになるヴィッセル神戸にホームで5失点の大敗。

ここで監督交代を決断していればまた違った結果になっていたというタラレバ話ができるほど、今振り返ればこの時点からの大きな前進はチームとしてはなかったですよね。

現在首位に立つ神戸が強かったことは確かなんですが、ここまでの点差となるほど個々の選手の力が劣っているとは思えず、チームとしての約束事、方向性がしっかり定まっていて共有できている神戸と、それが道半ばどころか迷走中に私には見える鹿島との差が如実に表れたように感じました。

 

現在のチーム状態はどん底どん底なんですが、まず選手たちにその責任はないと考えています。

チームとしての体をなしていない現状で、求められている役割をこなそうと頑張り勝利を目指す姿は悲壮感すら感じていて、選手を攻める気には到底なれません。

 

続いて岩政監督ですが、今の現状は昨シーズン途中から率いているチーム作りに失敗していることを表していることは明白で、その点だけ取れば彼の責任は重いと考えます。

 

ただ、プロチームを率いるのは初めての新米監督であることを踏まえると、過剰な成果を求めていることも明白で、彼にチームを委ねるのであればもっとフロントのサポートが必要なのではというのが私の意見です。

 

具体的に上げると、経験豊富なヘッドコーチだったり相手チームの分析/対策を担うチームの構築だったりで、恐らく神戸はこの辺がしっかりしていることが現在の結果に繋がっているように感じています。

 

岩政監督に意向もあるかもしれませんが、新米監督に何もかも委ねて何とか頼むわ(*`Д´)ノとしているようにしか私には見えず、そういう意味ではフロントの責任は大変重く、もっと危機感を持って今の事態に立ち向かって欲しいところです。

 

ちょっと長いですが、第8節の記事からの引用です。

経験値の少ない岩政監督の引き出しの少なさはシーズン序盤の時点ですでに露呈していて、それに対してのフロントがあまりにも無策であり、浮上のきっかけが見えないように感じていましたが、ここから一転して浮上するんですからサッカーというのは不思議な競技だなと。

 

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一方、鹿島サイドから見ると、これで全てクリーンシートでの3連勝となりましたが内容的には勝ったこと以外は特質すべき点はなく、特に攻撃面においては相手のミスに乗じて1点を取ったこと以外は収穫ゼロと言っていいかなと思います。

 

ここ最近の戦いぶりそして結果に、「原点回帰」というキーワードが出てくるようになりました。

かつて常勝と呼ばれたころを思い起こさせる堅守速攻な戦い方からの「原点回帰」なのでしょうが、このスタイルでは進化を続ける現代サッカーでは戦っていけないと行き詰まりを感じたから変革路線に舵を切ったのではないのでしょうか?

 

2021シーズンにザーゴ体制が頓挫し、相馬体制になった際にも聞かれた「原点回帰」

耳障りの良いフレーズですが、結局は振り出しに戻っただけであり、耳障りの良いフレーズを現実から目を背けているようにしか私には思えませんけどね。

 

どん底だったチーム状態を浮上させたのは「原点回帰」。

耳障りのいい言葉を選ぶと堅守速攻、別の言葉でいうところのリアクション型のサッカー。

 

守備ラインを低く保つころで、高さ強さに秀でたCBという強みを生かしてまずは先に失点しないことを最優先にして、得点源はリーグ屈指のプレースキッカー樋口から繰り出されるセットプレー頼み。

 

これが「原点回帰」の中身でしたが、これが岩政監督の志向していたサッカーとは到底思えず、想像するに、自信を失いかけている選手たちに勝利を積み重ねることで自信を取り戻させるための一時的な処置だったのかなと感じていましたが、それを裏付けるようにチーム作りは次のステップへと進みました。

 

■遅々として進まぬチーム作り

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連勝が始まったころに比べると、ビルドアップをしっかりしていこうという共通意識を感じるようになりましたが、この試合ではとりわけそれが目立ち、簡単にはロングボールを蹴ってこないように見えました。

 

次のステップとして岩政監督が取り組んだのはビルドアップの整備。

 

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シーズン序盤の4連敗から一転しての5連勝と巻き返せた一つの要因が、ある程度受けに間まわってでも勝利を優先するという戦い方にあったと思っています。

 

勝利を積み重ねていくことで簡単には失点しない守備網が整備され、チームとしての自信も植え付けられたとの判断もあったのでしょう。

自分たちで主導権を握って戦えるようになるため、次のステップへとチーム作りが進んでいることを窺わせたのが第15節鳥栖戦でした。

 

あれから約1か月。

方針は揺るぎないものの、チーム作りとしては停滞期であることを感じさせるゲームが続いております。

 

受けにまわってでも勝利を→主導権を握って勝利を求めたチーム作りの次のステップはなかなか結果に繋がりません。

 

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最初と比べると明らかな向上が見られるビルドアップも、同じスタイルの北海道コンサドーレ札幌を普段から見ている私からするとまだまだな印象。

フィールドプレーヤー並みのボール捌きを見せる早川は、この部分だけで見るとJリーグ屈指の能力を感じさせ、彼がいることで何とか今のレベルが保てているように私は思っています。

 

最終ラインからのフィードの質が一つの戦術の肝となるのですが...関川はまだマシだとしても植田のそれは正直厳しくて...でも守備能力考えると植田は外せず...と岩政監督は考えていると思います。

 

繫ぎの部分ではディエゴピトゥカに依存している部分が多く、今はそれで何とかなっていますが、一部報道では来シーズン移籍という話もあり、彼がいなくなると一気に立ち行かなくなる可能性も多分に秘めているように感じます。

 

そして今の課題はチャンスを創出する部分のバリエーションの質・量。

いくつか崩しのパターンはあるようなんですが、パスのずれやミスが目立ち、質としてはまだまだ。

パターン自体もそれほど多いとは言えず、具体的には左右の揺さぶりが足りないのかなと感じています。

 

左右の揺さぶりによって相手の守備を動かし、それにより生まれたギャップを突いていく。

この試合の名古屋の得点がそのお手本のようなゴールでしたが、それをするにはミドルレンジ、ロングレンジのパスを織り交ぜていく必要があります。

今の鹿島にはそれが足りず、試み自体はされているように見受けられますが、精度としてはさっぱりな印象。

 

今シーズンは折に触れて現在地の確認を言語化しているのですが、ビルドアップに関しては人を変えないとこれ以上の前進は難しいかなというのが私の見立て。

 

フィールドプレーヤー並みのボール捌きを見せる早川の存在でなんとか形にはなっているものの、高さ強さに秀でている植田、関川もビルドアップ面では厳しいと言わざるを得ず、彼らを使うのなら偽SBなど、植田、関川の拙さをフォローできるような策が必要だったように思います。

 

もう1点課題として感じたのは、チャンスを創出する崩しのバリエーションの質・量がともに乏しいこと。

結局この部分の前進は見られず、思うに岩政監督自身に攻撃面での戦術をチームに浸透させるだけの力がなかったんじゃないかなと。

 

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1か月少し前の第23節名古屋戦の記事で、岩政アントラーズの現在地に触れましたが、その時からほとんど前進できていないかな...と当時の記事を振り返っていくと感じましたかね。

 

・第5節~第8節まで4連敗を喫したことで

・勝利を優先させる守備に重きを置いた戦い方にシフトして5連勝(第9節~第13節)

・勝ち点3を積み上げることで選手に自信を植え付けて上昇気流に乗る

・この上昇気流に乗り、当初目指していたビルドアップを主体とした次のステップへの試みを進めるもまだまだ道半ば

 

これが岩政アントラーズの2023シーズンの大雑把な流れで、今はビルドアップを主体としたチーム作りの真っ只中で、なかなか積み上げられていないように私には見えています。

 

ビルドアップは、いまだにフィールドプレーヤー並みのボール捌きを見せる早川に頼っている面が否めず、この試合でも最終盤で早く点を返さないといけない場面でさえ、前線へのフィードは早川に委ねてしまう消極的なシーンが印象的でした。

 

チャンスを創出する部分の質・量もそれほど変わらない印象で、相手を動かすための肝になる左右の揺さぶりは鈴木優磨ぐらいしかできてないのかなと感じています。

 

一番気になっているのは、

毎試合60分ぐらいで前線がガス欠になるようなサッカーをいつまで続けるつもりなんだろうかという点。

 

特に前線の運動量、パワー頼みな面が、特にこの試合のように相手が強くなった時により強く見られる印象です。

 

圧倒していた前半途中までのサッカーが長時間続けられるようになれば、もっと競ったゲームに持ち込めたのかもしれませんが、そもそもキャンプで徹底的に追い込んでも限界はあるんじゃないかなと私は思うわけです。

 

思うに、ここ数年同じことを繰り返しているような気がしてならなくて。

いつの間にか上位に顔を出すようになり、次勝てばというゲームでことごとく地力の差を見せつけられて落とされるという光景のことなんですが、戦力的によっぽどのことがなければ今ぐらいの順位にはいれるんじゃないか説も思い始めていて、

 

この道の先に未来が見えるのか?

 

という問いに対しては、かなり懐疑的になってきたように感じています。

 

終盤に入っても岩政アントラーズの積み上げは乏しいことは、シーズン序盤と比較してみても明らか。

 

私が一番気になったのは、鹿島アントラーズには可能性を秘めた選手が多いと思っているんですが、一年経ってもさっぱり上手くなっているように感じない点でして。

これって、日頃の練習で戦術に見合った技術の積み上げができていないことの証左だと思っていて、それも踏まえると岩政監督の下でこれ以上続けても上を目指すのは難しいのかなと感じました。

 

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第30節で、リーグを制覇することになるヴィッセル神戸に完敗を喫して、2023シーズンの無冠が決まりました。

 

新米監督に満足なサポートもせずに任せてチームの浮沈を委ねたが故のある意味必然ともいえる結果でした。

 

結果を残すのはかなり可能性の低い博打だな...とシーズン前から予測していた私からすると一年無駄にしたな...という感想しか出てこない2023シーズンでした。

 

鹿島アントラーズの未来予想図を感じたい

フロントがどういう決断をくだすかはわかりませんが、個人的には続投/退任は五分五分かなと。

 

このクラブは、意思決定者の好みが監督の去就に影響している度合いが、特に近年は他のクラブより高いように感じていて、外国人監督には厳しく、日本人監督には甘い(ただし石井監督だけは例外)ように見えています。

それに従えば、足掛け2シーズン目ですが実質1シーズン目の日本人監督で今の順位だと続投かなとは思いますが、今の順位から落ちるようだとちょっとわからないでしょうね。

 

第30節の記事からの引用ですが、続投の予測は外れ、来シーズンは新監督のもので迎えることになりました。

 

本記事執筆時点で次の監督が決まっていないことからも、監督交代が既定路線ではなかったようですね。

 

次の監督は外国籍になりそうな雲行きですが、ザーゴしかりレネ・ヴァイラーしかり、外国人監督に対しては厳しい印象が強い今のフロントだと同じことの繰り返しなんじゃ...という懸念が拭えません。

 

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昨シーズンの振り返りのタイトルにした”問われたフロント力”ですが、一年経ってより訴求力を得た言葉になったように感じます。

いい意味では全くなく、それだけフロントのダメさ加減が明白になってきただけってことですがw

経験豊富な監督を迎えておきながら満足なサポートもせずにシーズン半ばにあっさりクビを切るというクラブ側の姿勢に大きな問題があると思ってまして。

 

加えて言うならば、クラブの未来を託したはずのザーゴ監督、レネ・ヴァイラー監督の選任プロセスのベースとなるべき、「鹿島アントラーズの目指すサッカーとは?」という点について突き詰められていないことが今の事態になっていると感じています。

 

今シーズンを制した横浜F・マリノスは、シティーグループの傘下に入ったタイミングで明確にポリシーを定め、最初のシーズンは降格寸前まで追い込まれましたが、そこを乗り越えると順調に戦績を伸ばし、監督・選手が代わってもぶれない攻撃サッカーでサポーターを魅了するとともに毎年上位に食い込むようになってきました。

 

鹿島アントラーズが常勝を取り戻すためには、まずはクラブとして目指すべきサッカーを明確に定義する必要があると考えるわけです。

 

昨シーズン振り返りからの引用ですが、一年経っても思うことは変わらないので、これを締めの言葉にしたいと思います。

 

今の状態から常勝を取り戻すことは難しいかもしれません。

それでも、鹿島アントラーズの未来予想図を感じられるようなチームを見せて欲しい、それを願って今シーズンの振り返りを終わりたいと思います。

 

 

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