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問われたフロント力 鹿島アントラーズ2022シーズンを振り返る

 

ザーゴ体制で一度は挫折した変革路線への再チャレンジはまたしても挫折し、4位でシーズンを終えました。

 

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2年続けての挫折を味わう悔しいシーズンとなった今シーズンを振り返ります。

 

■順風満帆に見えたレネ・ヴァイラー号の船出

日本国政府新型コロナウイルス感染症の水際対策により定められた外国人の新規入国停止処置に伴い、来日の目途が立たなかったレネ・ヴァイラー新監督不在で迎えたシーズンイン。

 

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昨シーズンと比べると球離れが早く、一気に攻め切ろうという意図が、特に前半は見えてましたね。
昨シーズンあれだけ噛み合わなかった攻撃も、選手の入れ替わりが多く、シーズン最初の公式戦とは思えないぐらいスムーズで、DAZNの解説だった水沼さんの言葉を借りるならば、「選手が同じ絵を共有できている」ことの証左なのかなと感じました。

選手が密集している狭いエリアにも縦パスがずばずば入ってくるシーンが目立ち、それが多くのチャンスを創出していて、33本というシュート数がそれを物語っています。

 

新監督が来日しておらず直接指揮していないことに加えて、選手の入れ替わりが多かった中で迎えたとは思えないぐらいの好印象に、今シーズンへの期待値が一気に高まった開幕戦。

 

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マイボールになったらまずは前線の上田、鈴木へ向けてのロングボール、これが基本方針のようで、前半はそこから繋がらない場面が多く、単調な攻めに終始していた印象でしたが、後半はさらにそこを先鋭化した印象で、ボールを奪ったら相手の守りが整う前に一気にやり切る、これが徹底されていたように感じました。

 

監督合流後はさらにやり方がはっきりしてきた印象で、今思えば絶対的エースの移籍で崩れてしまったのはある意味必然だったのかなと。

 

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好スタートを切った序盤、守で光ったのはクォンスンテ。

ビルドアップでの貢献を多くは求められないレネ・ヴァイラー体制により、持ち味を存分に発揮してくれましたね。

 

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好スタートを切り、首位を常に窺う位置にはいたものの、時折いいところ皆無で完敗するゲームが散見されたのが気になるところではありました。

そして鹿島アントラーズ側ですが、首位につけてはいるもののチームとしての完成度はまだまだで、現時点では強度勝負に持ち込んで、上田綺世や鈴木優磨といった能力に秀でた選手たちによる個の力で押し切っている印象が個人的には強かったりします。

そんな現況の中、強度勝負で後れを取った場合に待ち受けているのは...この試合のような結果であり、必然の完敗と言って差し支えないと考えるわけです。

それでは、なぜ強度勝負で後れを取ったかなんですが、相手2トップのフィジカルの強さに後れを取ったことでディフェンスラインが下げさせられ、それにより重心が後ろにいってしまったことで、そこからの攻撃にいつもより馬力を要し、スタミナを吸い取られて行ってしまったからでは?とみえました。

 

完成度の低さを強度勝負に持ち込んで個の力で押し込むことで覆い隠していたことが露見した格好で、これから蒸し暑い時期を迎える中で懸念される戦いぶりでした。

 

■絶対的エースの移籍で雲行きが怪しくなり...

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ここまでリーグトップの得点をたたき出していた絶対的エースの移籍は思っていたよりも大きな影響として現れました。

移籍後初戦こそ勝ち切ったものの、その後は3試合連続の引き分け。

 

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シーズン一度目の対戦で完敗を喫した横浜F・マリノスサンフレッチェ広島にシーズンダブルを続けて決められた試合を最後にレネ・ヴァイラー監督は退任となりました。

 

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レネ・ヴァイラー監督は強度の高さを維持し続けた縦に早いサッカーを志向している一方で、事細かな指示はせず、選手たちにピッチ上での解決を求めることも志向しているように感じました。

 

鹿島の色を残しながら、世界の潮流についていける強度を仕込んでいく、そんな方針にみえたので少し時間が必要かなと見ていましたが、それは道半ばで頓挫することとなりました。

 

端的に言えば、ウチのフロントは我慢という言葉を知らんのかなと感じていて、昨年のザーゴ監督解任に続いて、2度目の頓挫という事実の重さをどれぐらい感じているんだろうか...とクラブの方針に疑念が生まれたレネ・ヴァイラー退任劇でした。

 

各報道はクラブ側からの内容しか出てきていませんが、それらをみていくと

 

・監督とフロント及び選手間でのコミュニケーション不足
・監督の方針に対してのフロント側の疑念

 

が読み取れました。

 

監督側の問題が皆無だとは思わないですが、少なくとも監督に対するクラブ側のサポートが足りなかったんだろうな...ということは、監督の母国語の通訳を雇わず、監督が第2言語である英語でコミュニケーションしていたという、今回の報道で知った事実から感じました。

 

そして、それが選手たちとのコミュニケーション不足にも繫がったんじゃないかなというのが私の見立てです。

 

さらに付け加えると、レネ・ヴァイラー監督が求めていた(と私がみている)サッカーはレベルが高く、自分たちで考えていく部分も多く、かつての常勝を知るメンバーが少ない今の鹿島の選手たちではついていけなかったんじゃないかなとも感じているわけです。

 

ちょっと長いですが、我ながらいいこと書いていると読み返して思ったのでそのまま引用します。

 

レネ・ヴァイラー監督は鹿島アントラーズの色を残しながら世界の潮流についていける強度を仕込んでいるように私は感じていて、それに対するクラブ側のサポートであったり、我慢が足りなかったことが明らかになった実質的な解任劇だったように思いました。

 

■課題がどこにあるのかが明白になった2022シーズン

 

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シーズン最終戦でチーム構築途上というのは何ともな...という感想しかないのですが、この積み上げが来シーズンへの礎となるのであれば耐えられるところですよね。

 

問題は、これがホントに来シーズンへの礎になるのか?かと。

 

私の予測が外れてくれることを祈るのみですが、個人的にはかなり懐疑的な印象を抱いています。
というのも、構築途上とはいえ見せている内容に少しもおっ!と思わせるシーンが皆無で、ここからどうやって他のチームに対する優位性をどの部分で作っていくのか?という未来が全く見えないというのが理由でして。

 

プロチームを初めて率いる監督なので、まあこんなもんかなというのが正直な感想で、むしろこの新米監督にクラブの未来を託してしまうフロントどうなんだ?という疑念もあって...まあその辺はシーズン振り返りでお話ししたいと思います。

 

岩政監督就任後は2勝2敗6分け。

敗戦が少ないことは評価できるポイントかと思いますが、鹿島アントラーズの監督としては明らかに物足りなくて...これでまだ今後の伸びしろが期待できるようなおっ!と思わせるシーンがあれば別なんでしょうが...このサッカーに未来がさっぱり見えないと私は感じています。

 

ただ、これはプロチームの監督が初めてである新米監督への批判というわけでは全くなく、それよりも経験豊富な監督を迎えておきながら満足なサポートもせずにシーズン半ばにあっさりクビを切るというクラブ側の姿勢に大きな問題があると思ってまして。

 

加えて言うならば、クラブの未来を託したはずのザーゴ監督、レネ・ヴァイラー監督の選任プロセスのベースとなるべき、「鹿島アントラーズの目指すサッカーとは?」という点について突き詰められていないことが今の事態になっていると感じています。

 

今シーズンを制した横浜F・マリノスは、シティーグループの傘下に入ったタイミングで明確にポリシーを定め、最初のシーズンは降格寸前まで追い込まれましたが、そこを乗り越えると順調に戦績を伸ばし、監督・選手が代わってもぶれない攻撃サッカーでサポーターを魅了するとともに毎年上位に食い込むようになってきました。

 

鹿島アントラーズが常勝を取り戻すためには、まずはクラブとして目指すべきサッカーを明確に定義する必要があると考えるわけです。

 

常勝を失った鹿島アントラーズは、立地条件として厳しく優れた選手から選ばれなくなってきており、このままの状態が続くと下位ディビジョンへの降格もあり得るかもしれないという危機感をフロントがどれだけ持っているか、来シーズンの奮起に期待して、2022シーズン最後の記事を締めたいと思います。

 

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